食材の背景を伝えたい
繭久里では、豊富な季節野菜を常に料理としてお届けすることをしていますが、それだけではない部分でも、健康で楽しくなるようにと、いろいろ調べて考えながら取り入れて来たものがあります。
その意図を来ていただいた方全員に、全部伝えることはなかなか難しいものですので、この場で少しずつ紹介していきたいと思います。
実際に、繭久里カフェでの提供やめぐり工房での販売など行っていますので、興味のきっかけになっていただけたら幸いです。
冬に強い身体をつくる食材9選

こだわり食材 解説マンガ
根菜と葉物

寝かせ玄米甘酒
ドリンク、デザート、料理の調味料にも取り入れている自家製「寝かせ玄米甘酒」

こだわり食材 解説
海洋深層水ミネラルレモンポーション
主に食前に提供
カフェでは、ランチの前に「血糖値を抑える効果があります」とご案内して必ずお出ししています。
これは深海200mに存在する日本の海洋深層水と有機ストレート果汁のレモンをミックスして少し水を加えたものです。
あまりこれを提供している場所は多くは無いと思いますが、こだわって提供しています。
海洋深層水にはカルシウムやマグネシウムなどの必須ミネラルと70種類を超える微量ミネラルがバランスよく含まれ、レモンのクエン酸がその吸収をサポートします。
その一杯は、血糖値対策だけでなく、体のめぐりやエネルギー代謝を整える小さなサポートでもあるのです。
そして栄養バランスが整うことで、過食を防ぎやすいというものでもあります。飲食店としては間違っているのかもしれませんが、健康からすると、どう考えても間違ってないと思っています。
そして実は、腸内環境が悪玉菌寄りの方は、このポーションを「苦い」「飲みにくい」と感じやすいという特徴もあります。
逆に腸内環境が整っている方には「すっきり美味しい」と感じられることが多いのです。
「飲みやすいかどうか」を通して、ご自身の腸内環境を見直すきっかけにもなれば嬉しいです。
微量ミネラルは、現在の日本人は意識しないと不足する栄養素であり体調への影響が小さくないものです。なるべく安心なレモンとまぜて、ごく少量で良いので定期的に摂ることは、良い習慣になると思います。
グリーンコーヒー
ドリンクとして
デザートの材料
繭久里のコーヒーは「グリーンコーヒー」です。
一般的なコーヒーは焙煎した茶色い豆から作りますが、私たちが提供しているのは焙煎前の生豆と、香ばしく焙煎した豆をバランスよくミックスした、特別な一杯です。
コーヒーは趣向品と考えながらも、健康につながるコーヒーを探し続けていた中で出会い、セレクトしました。当初はそれまでのコーヒーと並列していましたが、一本に絞ることにしました。
生豆には、焙煎すると失われやすい クロロゲン酸 が豊富に残っています。
クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、抗酸化作用や血糖値の上昇をゆるやかにする働きが注目されている成分です。
一方、焙煎豆にはコーヒーらしい香りとコクがあり、飲んだ時の満足感をつくってくれます。
この二つを合わせることで、健康成分を残しつつも、爽やかでしっかりとした飲みごたえのあるコーヒーに仕上げています。コーヒー好きにも楽しんでいただける味わいです。
食後の血糖値サポートや、日々の抗酸化ケアを意識しながら、香ばしさと軽やかさの両方を楽しめるのが魅力です。
甘酒x豆乳 甘酒xオーツミルク
ドリンク
デザートの材料として
料理の優しい調味料として
繭久里でお出ししている「甘酒豆乳」と「甘酒オーツミルク」は、ただ飲みやすさのために作っているわけではありません。そこには栄養面での理由があります。
カフェで提供している甘酒は、寝かせ玄米と乾燥麹によるものを、専用の道具で手作りしています。
麹の酵素によってお米のデンプンが分解され、ブドウ糖やアミノ酸、ビタミンB群が吸収しやすい形になった飲み物です。エネルギーをすぐに補えるだけでなく、玄米をベースにすることでミネラルや食物繊維も摂れる「やさしい甘さの栄養ドリンク」と言えます。
そこに有機無調整豆乳を合わせると、植物性たんぱく質やイソフラボンが加わり、エネルギー源と身体の材料が同時にそろいます。甘酒の糖質で素早く力を出しながら、豆乳のたんぱく質で筋肉や骨を支える。暮らしの中で必要な「即効性と持続性」が一杯にまとまります。もともとは、ヨガ教室と提携したときに運動後のドリンクとして良いのではないかと思って開発した背景があります。
一方で有機オーツミルクを合わせたときには、また違う働きが見えてきます。オーツの食物繊維、特にβグルカンが血糖値の上昇をゆるやかにし、腸にやさしい作用をしてくれます。
このように、同じ甘酒でも、豆乳と組めば「エネルギー+材料」、オーツミルクと組めば「エネルギー+調整」と、性格の違う飲み物になります。
この組み合わせは、現在ドリンクだけでなく、かき氷へと展開していますが、これにも理由があります。
例えば普通のかき氷は主に砂糖と水でできているため、冷たくて甘いけれど体にとっては負担がありちょっと一方的なエネルギーになりがちです。そこで、身体に優しいかき氷をコンセプトに、冷たいデザートでありながら、刺激をすこし弱めて、栄養がやわらかに届き、体に負担をかけにくい仕立てになっています。
「美味しさと健康を同時に。」繭久里が甘酒豆乳や甘酒オーツミルクを選んでいる理由は、そこにあります。
バーニャカウダ風ソース
お野菜もお肉も合うソース
繭久里でお出ししている「バーニャカウダ風ソース」は、お野菜だけでなく、さまざまな料理に合わせられるということで、長くご好評をいただいています。
ベースには野菜や数種類の食材を組み合わせていますが、大切にしているのは余計な混ぜものを加えないこと。
市販のソースにありがちな保存料や香料は使わず、なるべく良い素材を使用し、素材そのものの風味を生かしてます。
さらに、店内で少量ずつ丁寧に仕込んでいるので、作りたてならではのフレッシュな香りと味わいを楽しんでいただけます。
旬の野菜と合わせれば、その甘さや苦みがいっそう引き立ち、シンプルながらも満足感のある一皿になります。
実は、栄養も豊富で抗酸化作用のある食材も多く入っているので、食を味だけでなく栄養面でもたすけてくれるものになっています。
すぐき乳酸菌豆乳ヨーグルト
ヨーグルトクリームとしてデザートのトッピング
料理の隠し栄養
「すぐき豆乳ヨーグルト」は自家発酵させて作っているものです。
京都伝統のすぐき漬けに由来する乳酸菌を用い、有機無調整豆乳を自然に発酵させてつくるため、動物性乳製品が苦手な方にも安心して召し上がっていただけます。豆乳のまろやかさに乳酸菌の酸味が加わり、コクのある独特の味わいが生まれるのが特徴です。
発酵ならではの風味があるため、慣れるまでは少し個性的に感じられるかもしれません。
それでも、糖や脂質の代謝を助け、腸内環境を整える乳酸菌や、植物性たんぱく質・ミネラルなどの栄養をしっかり含んでいる点は魅力です。
その他 デザートに取り入れているもの
- 発酵あんこ
小豆の自然な甘さと麹の熟成による旨み。
自前で良質な小豆から、砂糖に頼らず、素材の酵素で自然な甘みで仕上げています。 - 甜菜糖・メープルシロップ・アガベシロップ
血糖値の上昇をゆるやかにし、ミネラルを多く含む天然由来の甘味料。
精製糖ではなく、自然のままの風味と栄養を大切にしています。 - ココナッツオイル(Rawケーキ・クリーム)
糖の吸収を穏やかにし、すぐにエネルギーとして使われる中鎖脂肪酸を含む脂質。植物性脂質として腸内環境を整え、代謝のリズムを安定させます。焼かない「Rawケーキ」として仕上げることで、素材に含まれる酵素や栄養をそのまま活かすようにしています。 - フィトケミカル(お茶・グリーンコーヒーなど)
植物が自らを守るために生み出した抗酸化成分。
体内では、糖の酸化ストレスをやわらげ、ミトコンドリアの働きをサポートすることで結果としてエネルギー生産を助けます。
