— ククリカフェでは“美味しい”を突き詰めて考えて、ただいまこう考えています —
人間は、どんな食事で健康になるのか。
どんなときに心から「美味しい」と感じるのか。
それは単なる“好み”ではなかったということ。
私たちの体が 20億年の進化の歴史の中でDNAに刻みつけた
“生きるための設計図” に基づいた反応です。
その鍵になるのが、
3つの進化レイヤー と
本来は極めて優秀な 栄養センサー(=味覚) の働きです。
🧬 レイヤー①:生命20億年の大原則
── 細胞が求め続ける9つの栄養
私たちの体(真核生物)は、
ミトコンドリアでATP(生命のエネルギー)をつくります。
必要な材料は、20億年前の真核生物の誕生以来一度も変わっていません。
ここに材料を届けることがあらゆる食の根底にあります。
■ 生命活動を支える“主要栄養素”
- 糖質(即効エネルギー)
- アミノ酸(体の材料)
- 脂質(高エネルギー源・細胞膜の材料)
- ミネラル(電解質・神経・代謝調整)
- ビタミン(代謝の潤滑油)
- 酸素 / 水
- 食物繊維(腸内細菌の燃料)
- フィトケミカル(抗酸化・防御)
これらを“正しく選ぶ”ために、
味覚というセンサーの原型が生まれました。
🐾 レイヤー②:哺乳類2億年の要請
── 高燃費な体を守るための精密センサー
哺乳類は、恒温動物であり、高エネルギー生物です。
体温を維持し、脳を動かし続けるために、
より“質の高い”栄養が必要でした。
そのため味覚は、
「今なにを食べるべきか」を瞬時に判断する栄養分析器
として進化しました。
| 味覚(センサー) | 対応する栄養素 | 生物学的な意味 |
|---|---|---|
| 甘味 | 糖質 | すぐ動くための即効エネルギー |
| 旨味 | アミノ酸 | 成長・修復・免疫の材料 |
| 脂味 | 脂肪酸 | 生存のための高エネルギー源 |
| 塩味 | ミネラル | 神経伝達・体温維持 |
| 酸味 | 発酵・有機酸 | 代謝促進・腐敗の見極め |
| 苦味 | フィトケミカル | 抗酸化・解毒・薬効 |
味覚の本質は
“生き延びるための栄養選別システム”
なのです。
なぜ甘みには大雑把でつい求めてしまうのか
なぜしょっぱさには、ほんの違いにとても敏感なのか
苦味はどうして、理解が進むまで食べたくないのか
すべて長い歴史からの理由があるという事です。
👤 レイヤー③:人類数十万年の革新
── 「火」と「外部依存」の宿命を背負った体
人類が他の動物と決定的に異なるのは、
火(料理)という外部消化の獲得 です。
これにより100万年をかけて人類は、
- 消化を体外で行える
- 栄養吸収率が大幅に上がる
- 食べられる種類が激増
- 内臓が小型化し、脳が巨大化した
その代償として、私たちは
- ビタミンCを作れない
- 必須アミノ酸・必須脂肪酸が多い
- 食物繊維の分解は腸内細菌任せ
- フィトケミカルは完全外部依存
という、
その当時は食べれて当たりまえだから外部依存にするという進化をしました。
そしておおむねの完成形となった6万年前ごろから、人間は世界に広がったのです。
ここでさらに気を付けないといけないのは
火によって食べ物は柔らかくなりましたが、
今ほど柔らかいわけではなかった。
なので「噛んでから受け取る」
という設計のままです。
噛むことで、
- 顎や舌を動かすという最初の運動が入り
- 脳・腸・消化・吸収の準備スイッチが入ります
この工程を飛ばして、使いやすすぎる栄養だけを液体などでいれても、全て良くなるわけでもないということです。
⚠️ 味覚には2種類ある:
── 進化を正しく働かせる美味しさと、進化が騙される美味しさ
私たちには気づいた方が良い視点があります。
味覚は優秀ですが、現代食品はそれを“誤作動”させることができるということ。
✅ ① 進化的に「正しい」美味しさ
= 体が本当に必要としている栄養が届いたときの反応
特徴:
- 発酵の旨味
- 野菜の滋味
- 自然な甘み
- ミネラルの塩味
食後感:
- 脳も体も満たされる
- 後味が軽い
- 元気が湧いてくる
この自然な味覚の記憶が、私たちから薄れてしまっている部分があります。
❌ ② 進化を騙す「バグとしての美味しさ」
= 脳だけが喜び、体は疲労するタイプ
特徴:
- 精製糖
- 過剰な油
- 化学的な旨味
- 強烈な香料
食後感:
- 依存性が残る
- 体が重い
- 疲れが出る
現代の大量加工食品は、
「美味しく、食べて嬉しいものを、できるだけ多くの人に届けたい」
という善意から発展してきたものだと思います。
ただ一方で、人間の脳や身体は、
いまもなお6万年前の環境を前提とした感覚で世界を判断しています。
そのため、
・強すぎる刺激
・過剰に加工された形
・本来は稀だったはずの濃度や組み合わせ
に対して、脳は「想定外のご褒美」として反応してしまい、
本来の健康設計とのズレが大きくなっているのが、現代の状態です。
6万年前の人類には、すでに「食に対する柔軟性」が機能として組み込まれていました。
それは、
- 環境や食材に応じて腸内細菌の構成を変化させる構造
- 一度食べて問題がなかったものを「信用する」学習機能
- 栄養が不足していても、多少の不具合があっても、致命的にならない範囲でやり過ごす適応能力
といった複数の仕組みが重なり合ったものです。
現代の管理された食は、「安全ではない=命に致命的」なものはとても少なくなりました。
ただ、選び方次第で「本来のパフォーマンス」が出せるかどうかが決まる。
ということになります。
🌿 ククリカフェの結論
── 美味しさとは「進化が教える栄養の答え合わせ」
私たちが考える美味しさとは、
体が本当に必要としている栄養が
良い方法、良い形で届くもの
それによりミトコンドリアのエネルギー生産が活性して
日々の元気や細胞の修復につながるもの
- 素材そのものの力強さ
- 甘酒と発酵が生む自然な旨味
- ミネラルと水分の調和
- 火と手間で引き出された吸収率
- 植物の苦味という薬効
それらの「必要とされる美味しさ」取り入れて、
“心身が元気になる食”をつくっています。
細胞の一つひとつが「これが欲しかった」と言う。
食べて幸せ、食べたあともっと幸せ。
それがククリカフェの考える「本来の美味しさ」です。
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